見タイ知りタイ! 行った気になる歴史と散策ブルックリン ⑯ プロスペクト・パーク – Prospect Park

ブルックリン

ブルックリン区にあるプロスペクト・パークは、年間約800万~1000万人もの人が訪れるとても美しい公園です。ざっくりとですが、オープンスペース部分、樹木が生い茂った部分、水辺の部分の三つに分かれており、園内にある橋やアーチも素晴らしいです。
広さは、ブルックリン地区でマリン・パークに次いで二番目、526エーカー(約サッカー場526つ分)で、1867~1873年につくられています。設計者は、マンハッタンのセントラル・パークも設計したフレデリック・ロー・オルムステッド(Frederick Law Olmsted)とカルバート・ヴォークス(Calvert Vaux)の二人。

参考までに、設計者が同じセントラル・パークは843エーカー。1857-1876年につくられ、プロスペクト・パークよりも先に着工されましたが完成は遅く、かなり時間を要しています。
マンハッタンほぼ中央という事もあり年間約4200万人の人が訪れるそうです。
プロスペクト・パーク北側は、ブルックリン博物館、ブルックリン植物園そして中央図書館(Central Library)と隣接。ニューヨーク市ランドマークと国家歴史登録財に指定されています。
では、プロスペクト・パークのいくつかの見所ポイントをご紹介します。

Photo :Maria

1.グランド・アーミー・プラザ(Grand Army Plaza)

Soldiers’ and Sailors’ Arch

グランド・アーミープラザは、楕円形のプロスペクトパークへのメイン・エントランス。こちらも設計者はオルムステッドとヴォークス。二人はこのプラザを、プロスペクト・パークへと導く大事な地点と捉え、広く美しくなきゃ!!!! と思っていたそうです。
楕円形のプラザは、南北戦争で勝利した北軍で戦った人々の記念碑である兵士と船員のアーチ(Soldiers’ and Sailors’ Arch)、ベイリー噴水(Bailey Fountain)」やJFK(空港ではないですよ)胸像モニュメント、そして後から追加された4本のドーリア式の柱などがあります。このうち、何と言ってもアーチが立派。ヨーロッパの街並みを連想できます。パリの凱旋門を模したと聞いた事があるので、なるほど、です。
すぐ傍で、毎週土曜日の8時から3時までグリーン・マーケットが開かれます。

ドーリア式の柱とマーケット入り口
公園の先っぽにプツッと出来たオデキのよう。。。

2.ボート・ハウスとオーデュボン・センター(Boathouse & Audubon Center)

ボート・ハウス兼オーデュボン・センター

1905年に建設された水辺に建つボート・ハウスは、直接見ても水に映った姿も美しいです。
プロスペクト パークの多様な自然を探索できる無料プログラムを提供たり、主に鳥類の野生動物の保護や回復に努めるオーデュボン・センターもあります。ここのプロスペクト・パーク・オーデュボン・センターは米国内で初の都市部のセンターです。
NY市ランドマークと国家歴史登録財に登録されています。

3.お子様コーナー(Children’s Corner)

レファーツ・ヒストリック・ハウス

このエリアには、動物園、回転木馬(Carousel)、そして歴史建造物のレファーツ・ ヒストリック ・ハウス(Lefferts Historic House)が集まり、子供達が充分に楽しめるエリアです。
レファーツ・ ヒストリック ・ハウスは、18世紀に建てられた農家で奴隷にされた人々と大陸軍中尉 レファーツと家族の家でした。当時の生活を紹介する博物館であり、NY市ランド・マークでもあります。

レトロな回転木馬 Photo :Rebecca
お子様コーナーの看板

4.コンサート・グローブ(Concert Grove)

でで~んとリンカーン像

公園のコンサート・グローブ(Concert Grove)に、リンカーン大統領の堂々とした立像があります。NY市内の公園にある3体の一つ。同じアーティストが作製したもう一体はユニオン・スクエアにあります。
近くに、作曲家のモーツァルト、ベートーヴェン、グリーグや詩人のトーマス・モアの胸像、そして別名オリエンタル・パビリオンと呼ばれるコンサート・グローブ・パビリオンもあります。この辺りは、公園内でも違った雰囲気がありました。

Concert Grove Pavilion
Pavilionの内側 Photo : Maria
nycgovparks.org/parks/prospect-park/monumentsより

5.スモーガスバーグ(Smorgasburg

www.smorgasburg.com

スモーガスバーグは、2011年5月に始まった「食のウッドストック(Woodstock of Eating)」と言われる米国内最大の屋外フードマーケット。名前は、スウェーデン発祥のスモーガスボード(smorgasbord)とオリジナルの地であるウイリアムズバーグ(Williamsburg)の造語との事。
NYでは、4月から10月の毎週末に開催。催し場所は、プロスペクト・パーク内のブリーズ・ヒル(Breeze Hill)で日曜日、ブルックリン区ウイリアムズバーグが土曜日でペット不可、マンハッタン・ダウンタウンのオキュラスでは金曜日に催されます。
多数の目移りする屋台、調理している煙、漂う胃袋くすぐるにおい、ワクワクものです。思わず童心に帰れます。

6.フレデリック・ロー・オルムステッド(Frederick Law Olmsted)とカルバート・ヴォークス(Calvert Vaux)

多くの人が知るプロスペクト・パークやセントラル・パーク以外にも北米で数々の素晴らしい設計をし、後世に素晴らしいギフトを残してくれたフレデリック・ロー・オルムステッドとカルバート・ヴォークスの二人。この二人の名前は聞いた事はある位でしたので、調べてみました。

Frederick Law Olmsted, Photo : Wiki

・フレデリック・ロー・オルムステッド
コネチカット州で1822年に誕生。ジャーナリストととして仕事で訪れたイギリスでの経験が、その後のキャリアに影響し、後にアメリカの造園設計の父と呼ばれるまでになりました。
1903年、81歳で他界しますが、その後も、オルムステッド兄弟として知られる二人の息子たちも活躍。アメリカとカナダ全土の何百もの公園、大学キャンパス、その他のプロジェクトの設計と計画を手掛けました。

著名なアメリカ人画家、ジョン・シンガー・サージェント(John Singer Sargent )の描いたポートレートもあります。

Calvert Vaux, Photo : Wiki

・カルバート・ヴォークス
1824年にロンドンで出生、1856年にアメリカ国籍を取得。
都市化工業化が進むアメリカでの公共公園の重要性、そして都市景観は建築形態と自然環境に統合する事と考え、自然主義的で曲線的なラインのデザインを好んだそうです。
1857年、庭園設計の経験がなかったオルムステッドをパートナーとして採用し、セントラル・パークの設計入札に参加、勝ち取ります。セントラルパークにあるベセスダ・テラス(Bethesda Terrace)など建造物はすべて彼の設計によるものだそうです。
オルムステッドと組む前はホワイト・ハウスやスミソニアン博物館でのプロジェクトも多く手掛けているとの事。1895年にブルックリンで70歳で亡くなります。

また、この二人は、グランド・アーミー・プラザから始まる世界初商業車両のない道路であるパークウェイ、イースタン・パークウエィ(Eastern Parkway)をプロスペクト・パーク建設同時期に作ります。NY市ランドマークと国家歴史登録財です。
加えて、プロスペクト・パーク横からブライアント・ビーチ近くの水際までまっすぐ走る約8.9キロ(5.5マイル)のオーシャン・パークウェイ(Ocean Parkway )も設計しています。二人の都市計画は壮大と感服
責任重大でも大きなやりがい、凄い!!!!。

7.中央図書館(Central Library)

Central Library Photo : Rebecca

ブルックリン公共図書館の本館である立派な中央図書館(Central Library)は、グランド・アーミー・プラザすぐ近く。一瞬、美術館?と思えるような正面入口です。
その入り口は建物4階分の高さで、15 枚の正方形のパネルには文学上の人物が、そしてその上に二羽のフクロウが、金箔で施され描かれています。

8.まとめ

結構きつい階段

上記の見所以外にも、緑豊かな森のオアシスと言われるヴェール・オブ・カシミア(Vale of Cashmere )やローズ・ガーデン、ブルックリンに残る原生林、約1.6キロ(1マイル)の長さのオープンスペースのロング・メドウ(Long Meadow)が広がり、アイススケート場、コンサート会場などさまざまな運動やレクリエーション施設があり、満足できる公園です。
ランナーや自転車に乗っている人も多く、特に自転車はかなりスピードが出ていますので、歩行者用箇所を歩かなかったりぼやぼや歩いていると、注意の意味で大声で叫ばれます。トレールは、トレイル、舗道に関わらず勾配のある場所もありますので、侮るなかれ。

オープン・スペース
Photo : Rebecca

初夏と晩秋に行きましたが、まぶしい新緑、キラキラ輝くような紅葉とその時々の色、四季折々の美しさも楽しめました。
機会があれば、ご家族や友達と是非訪れてみてください。癒されます。
この広い公園のどこを目指して行ったらええのかわからへんやん!と思う方は、Prospect Park Map – Prospect Park Alliance のオレンジマークをクリックして参考にしてください。:) 🙂

行き方
NY地下鉄2番、3番線 Grand Army Plaza、またはB, Q線 Prospect Park 駅が便利です。

謝 意
謝 意


I’m so grateful to Hank O. for showing me around various places and sharing their knowledge, and Maria and Rebecca for allowing me to use their photos.

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