見タイ知りタイ! 行った気になる歴史と散策マンハッタン ① シュガー・ヒル – Sugar Hill

シュガー・ヒル

なんと可愛い名前!と思い、勝手に、砂糖工場?お菓子屋が多い?と連想していましたが、全く違っていた地区、シュガー・ヒル。
ハーレムとハミルトン・ハイツ地区の145丁目から155丁目とアムステルダム・アベニューからエッジコム・アベニュー( Edgecombe Avenue)にある国定歴史地区(National Historic District)で、かつては、白人富裕層向けで「スイート・ライフ」のシンボルだったそうです。
大きい通りのセント・ニコラス・アベニュー(St. Nicolas Avenue)やセント・ニコラス・プレイス(St. Nicolas Place)沿いに、曲線が美しい家々やお城のような邸宅が並んでいました。機能性とバランス感を重視し優美なデザインが特徴と言われるクイーン・アン様式建築が、特に多いそうです。また、広い並木道があり落ち着いた静かな印象で、Hillと言うだけあって緩やかな坂が多かったです。

丸みを帯びた建物 Photo : Jill Z.

1.ハーレム・ルネッサンス(Harlem Renaissance)

ハーレム・ルネッサンスとは、1920年代から始まり1930年代中期頃まで、アフリカ系アメリカ人による文学、音楽、芸術など文化運動が花開いていた頃の事です。
その当時のシュガー・ヒルには、ハーレム・ルネッサンスで活躍した人や社会的に成功した富裕層のアフリカ系アメリカ人達、例えば、デューク・エリントン(Duke Ellington)、作家の ラングストン・ヒューズ(Langston Hughes)等、各界で活躍したそうそうたる面々のアフリカ系アメリカ人達が住み、重要な役割を果たしたそうです。エネルギーや熱気に満ち溢れ、それでいて華やかなで生き生きしていた時代だったのかなと思います。

また、有名なジャズのスタンダード・ナンバー「A 列車で行こう」の歌詞にも、シュガーヒルの名が出てきます。出だしはこんな感じです。
♪♬ You must take the “A” train, To go to Sugar Hill way up in Harlem ♪♬

A列車で行こう!! Photo : eBay
A列車で行こう!! Photo : eBay

2.ジェームス・ベイリー・ハウス(James Bailey House)

シュガー・ヒルには邸宅も多いのですが、その中でも特に目を引いたのが、国家歴史登録財でNYCのランドマークになっているジェームス・ベイリー・ハウスです。
ベイリー氏は、リングリング・ブラザーズ・サーカス(Ringling Bros. and Barnum & Bailey Circus)のオーナー経営者の一人で、Greatest Show on Earthと宣伝していたこのサーカスをご存じな方もいらっしゃるかと思います。 150丁目とセント・ニコラス・プレイスの角にあり、ライムストーンの建物で小ぶりのお城のよう。外からでもステンドグラスが施されているのがわかりましたし、東側にロングアイランド海峡が見えるそうです。1950年代には、葬儀場となり、また現在は住居となっているそうです。以前に葬儀場だった場所に住みたいかな、と思ってしまいますが、サイトで見つけた内装写真は素晴らしいです。

ベイリー・ハウス
ベイリー・ハウスの中  Photo : sallieslateproductions

すぐ近くに、NYCランドマークのベンジガー・ハウス(Benziger House)もあり、ここも海が望める眺めの良い立地にあります。裕福な個人住居地から、病院、幼稚園、ホテル、ホームレスの家へと変貌し、今は空き家になっているようでした。もったいない印象ですが、いろいろ事情があるのでしょう。

ベンジガー・ハウス

ジャッキー・ロビンソン公園(Jackie Robinso Park)

右手に壁がそそり立っている NYC Parks Official Site

ハーレムの宝石とも言われ145から155丁目の10ブロックある南北に細長い公園です。エッジコム・アベニューとブラッドハースト・アベニュー(Bradhurst Avenue)の間にあり、野球場、バスケットコート、プ―ルやコンサート用のドーム(Bandshell)等設備が整っています。
この公園は、何と言ってもエッジコム・アベニュー側の絶壁です。反対側にあるブラッドハースト・アベニューとの高低差が大きく、高台側のエッジコム・アベニューからの景色は素晴らしいです。また、階段も長いため、運動にいいかも知れません。

左手下が公園、木の高さ位の段差あり

4. まとめ

ブラウンストーンの家々

シュガー・ヒルはハーレム地区内なので、若干、先入観を持っていました。でも、大通りを除いてですが、静けさと落ち着いた印象でびっくり。また、個性豊かな数々の建築物があり、かつてハーレム・ルネッサンスの鼓動が響き、開花した面影を感じました。
歴史地区のストリート・サインは、通常の緑色ではなく茶色です。ここの歴史地区は広範囲なので、サイの色を確認しながら家を見ながらぶらぶら散策がお勧めします。
治安も良いようですが、夜の一人歩きは避けた方が良いと思います。
 

 

行き方
Sugar Hillへは、NYC地下鉄 A, B, CとD線の145th駅が便利です。

駅を出たら、大通りのSt. Nicholas Ave.ですので、そこに沿って北に向かって歩き始められる良いでしょう。

謝 意

I’m so grateful to Kevin K. for showing me around and sharing his knowledge, and also thanks to Jill Z. for using her photo.

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