この地区は、マンハッタン島の北、135丁目から155丁目辺りで、シュガー・ヒルの西隣にあり、名前は、アメリカ建国の父の一人、アレクサンダー・ハミルトンに由来しています。
2010年の国税調査では、ヒスパニックおよびラテン系の人達が52.2%、アフリカ系の人々が32.2%、白人が10.9%の割合で住んでおり、ヒスパニックのパワーが溢れているようですが、昔は環境がかなり違っていたようです。
このコミュニティの名前は、現在のハミルトン グランジ国立記念碑で生涯の最後の 2 年間を過ごした建国の父アレクサンダー ハミルトンに由来しています。
1.トリニティ・チャーチ・セメタリー・アンド・モーソリアム (Trinity Church Cemetery and Mausoleum)
シュガー・ヒルからハミルトン・ハイツに向かうと、広々とした立派なお墓、国家歴史登録財でもあるトリニティ・チャーチ霊廟 (Trinity Church Cemetery and Mausoleum)と 155丁目とブロードウェイの角にあるチャーチ・オブ・インターセッション(Church of the Intercession)が見えてきます。
この長い歴史のある霊廟は、マンハッタンで唯一、 現在もあらゆる信仰を持つ人々が、手頃な価格で地上埋葬と追悼を提供しているそうです。綺麗に整備され、静かな場所でした。元NY市長のコッチ氏(Ed Koch)を始め、著名人も埋葬されているそうです。
2.チャーチ・オブ・インターセッション(Church of the Intercession)
この教会は、155丁目とブロードウェイの角に位置し、名にあるインターセッションとは「とりなし」や「仲裁」の意味のようです。内装は、メトロポリタン美術館別館のクロイスターと似た感じの回廊があり、中世の雰囲気がありました。
映画やドラマなどの撮影にも使われるそうです。
3.ジョン・ジェームズ・オーデュボン(John James Audubon)
フランス系アメリカ人、ジョン・ジェームズ・オーデュボンは鳥類研究家であり、「アメリカの鳥類」(The Birds of America 1827-38)という有名な画集の著者で画家でした。
オーデュボンの名は、全米オーデュボン協会( National Audubon Society:www.audubon.org)の名称に使われています。この協会は、野鳥保護から始めて、広く自然・環境保護を目的とする自然保護団体。
オーデュボン!!!と聞けば、野鳥保護!!!と即答できる人は米国に多いです。
かつて、オーデュボンはこの辺りの土地を所有しており、トリニティー・チャーチで埋葬されています。また、Audubon Mural Project と呼ばれる鳥の壁画のプロジェクトがあり、近隣にはたくさんの鳥の壁画があります。
4.オーデュボン・ミューラル・プロジェクト(Audubon Mural Project)
Audubon Mural Project と呼ばれる鳥の壁画のプロジェクトが全米各地にありますが、このハミルトン・ハイツやワシントン・ハイツ近隣にはたくさんの鳥の壁画があり、オーデュボン氏のレガシーがあちこちにあります。
オーデュボンのNYCやワシントン・ハイツ近辺のウエッブ
サイトは、Audubon Mural Project | Audubon や
The Audubon Mural Project Brings Birdsong to Life in Washington Heights | Audubon をご参考に。
また、このマップのサイト
Audubon Mural Project Map – Google My Maps で、
鳥のアイコンをクリックするとどの鳥でどこにあると示してくれるので、画面クリック・バードウォッチングか、ぶらぶら歩きで実物の大小さまざまな壁画バードウォッチング、どちらでも楽しめそうですね。
4.ヒスパニック・ソサエティー・オブ・アメリカ(Hispanic Society of America)
ヒスパニック・ソサエティー・オブ・アメリカは、かつて、オーデュボンが所有していた土地を、慈善家で学者でありヒスパニック研究に尽力したArcher Milton Huntingtonが購入し、ヒスパニック・ソサエティー・ミュージアム &図書館を1904年に設立した所です。
歴史地区としても知られるオーデュボン・テラスにあり、その立派な建物は国定歴史建造物。建物は大きいですが、館内での観覧箇所はそんなに広くはありませんが、スペイン画家のベラスケス、ゴヤ、エル・グレコの絵画が展示され、濃縮さた感じです。中でも、奥の部屋にあり、壁の四面全てを使って展示されているホアキン・ソローリャ(Joaquín Sorolla)による14枚絵「Vision of Spain」は圧巻です。きらきら輝く強い日差しに包まれたスペイン各地の生き生きした人々の生活を描いた絵は素晴らしく引き込まれます。
入場料は無料ですが、木曜日から日曜日まで12:00-17:00pmの限られた時間ですので、訪問前にウエッブサイトhttps://hispanicsociety.org で時間を確認された方が良いです。また、金曜と土曜の14:00にガイド・ツアーがあります。場所は、チャーチ・オブ・インターセッションのすぐ傍です。
5.まとめ
この辺りは、ハミルトン・ハイツとワシントン・ハイツの境界に近く、かなりマンハッタン島の北の方にあるので、多くの人にとってあまり馴染みがない場所かも知れません。ラテン系の人々が多く暮らす地区ですが、教会やヒスパニック・ソサイエティのある場所は、ヨーロッパにいると錯覚するよう。特に、ヒスパニック・ソサイエティは、あまり知られておらず過小評価されているそうですが、秘宝のような素晴らしい場所でした。5年の改装工事後、2023年5月から再オープンしたばかりですし、お薦めです。
この地区は、アメリカ建国の父アレクサンダー ハミルトンが生涯最後の2年間を過ごした家が、ハミルトン・グランジ国立博物館としてあります。訪れた際には、また紹介しますので楽しみにしていてください。
行き方
NYC地下鉄 1番線の157丁目駅を出て、ブロードウェイを南に2ブロック程で左手にHispanic Societyがあります。
または、地下鉄A, C線の155丁目駅を出て、155丁目を西に1ブロック歩くと左手にトリニティー教会と霊廟が見えてきます。
落ち着いてゆったりした印象の地区で昼間は安全かと思いますが、地区をよくご存じでなければ夜の一人歩きは避けた方が良いかと思います。
謝 意
I’m so grateful to Kevin K. for showing me around and sharing his knowledge.