見タイ知りタイ! 行った気になる歴史と散策クイーンズ ①  ブロード・チャンネル & ジャマイカ・ベイ野生動物保護区 – Broad Channel & Jamaica Bay Wildlife Refuge

クイーンズ

ブロード・チャネル地区はクイーンズ区にあり、ジャマイカ湾で唯一人が住む島、ニューヨーク市でも他に類を見ない地区です。
ニューヨーク市のベニス(Venice of New York)とも呼ばれ、およそ20ブロックの長さ、4ブロックの幅位の居住地と自然保護地区があります。

.ブロード・チャネル(Broad Channel))

高床式の家々  Photo by John K.

ブロード・チャネルには、水辺の家々は高床式が多く、道ではなく歩道橋、家の裏には庭でなくボート寄せがある家も少なくありません。およそ3000人が住んでおり、公務員または緊急作業員が多いと、2010年のNYTimeの記事は伝えいます。また、同年の国税調査では、78.3%が白人、 7.5%のアフリカ系、 2.1% がアジア系となっています。
さらに、2015年の国税調査関係の資料によると、34~40歳の成人でブロード・チャネルで育ち住み続けている居住定着率は47%とNY市で最もの高い地区の一つだそうです。

Photo by John K.
Photo by John K.

ただ、水辺故、いろいろ問題もあるようです。
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67年、下水をそのまま湾に流している家庭もあり、肝炎(hepatitis)発症率が高いという噂が広まり、潮干狩り、水遊びなど禁止され、健康被害を考慮し、市から住民に避難するよう試みた事があったそうです。また、2011年8月のハリケーン・アイリーン、2012年10月のハリケーン・サンディーの時は、強制避難となり、被害も甚大だったそうです。

Photo by Barbara.
湿地に架かる家に行くまでの歩道橋

この島には、車と電車でアクセス出来ます。
クロスベイ・ブルーバード(Cross Bay Boulevard)と名の付く道路が島の中央を南北に走っています。その名の通り、ジャマイカ湾を縦断する広い道路で、北のハワード・ビーチ(Howard Beach)と南のロッカウェイ半島(Rockaway Peninsula)の両端に橋が架かっています。
また、地下鉄の駅、こちらも島の名そのまま、Broad Channel駅があるので、交通の便は悪くはないと思います。

郵便局も兼ねなんでも売ってそうなお店  Photo by Maria F.
住民の憩いの場のようなレストラン  Photo by John K.

お店も数件、ちらほら位でしょうか。また、他にあるかもしれませんが、パブのようなレストランらしき所も一か所あり、そこは昔から変わらず時間がゆっくりと流れているような場所のようでした。

2. ジャマイカ・ベイ野生動物保護区(Jamaica Bay Wildlife Refuge)

ジャマイカ・ベイ野生動物保護区は9,000 エーカー以上の広さがあり、国立公園局が管理しています。いくつかの島から成り、西側がブルックリン区、JFK空港に近い東側がクイーンズ区と分けられています。ビジター・センターもあります。
木々はそこまで高くなく、潮風が強い場所かなとも思いました。

Photo by John K.
Photo by John K.
ちょっと一休み Photo by John K.
Photo by John K.

また、この保護区は、過去25年間に325 種を超える生物が記録され、417ある米国国立公園のうち、イエロー・ストーン公園やヨセミテ公園を抑え鳥類の個体数では2番目に多く、最高のバードウォッチングスポットとして国内外で有名だそうです。まさしく鳥たちの保護区です。

Canada Geese by Mike L. Farrugia
Osprey by Mike L. Farrugia
Osprey with Fish by Mike L. Farrugia

ただぶらぶらと歩いていただけの私にとって鳥たちの存在は、カナダガン(Canadian Geese)や白鳥などは大きさで、または鳴き声で近くに鳥が居ると認識する程度でした。しかし、ウォーキングで一緒だった愛鳥家のマイクには、しっかり居場所がわかり識別も出来、その一瞬を写真に収めていました。経験のなせる凄い業とただただ称賛あるのみです。ここにある鳥の写真はマイクが撮った一部です。

Tree Swallow by Mike L. Farrugia
Scarlet Tanager by Mike L. Farrugia
Yellow Warbler by Mike L. Farrugia

しかしながら、気候温暖化により、海水湿地の浸食、海面上昇、洪水などに直面し、さらに、米国で6番目に利用者数の多いJFK空港による騒音公害は、ここの環境に深刻な影響を引き起こす可能性があるとも言われています。

遠くに見えるマンハッタンのスカイライン

マンハッタンスカイラインが遥か彼方にぼんやりと見え、遠くまで来たと思いました。こんなに離れていても高い建物がないから見えるのでしょう。

3.NY市地下鉄 A 線

赤い線が、ジャマイカ湾を通るNY市地下鉄 A線

NY市地下鉄 A線のハワード・ビーチ・JFK空港駅(Howard Beach‐JFK Airport)から次の駅Broad Channel駅までは、JFK空港のすぐ近くを通り、ジャマイカ湾を縦断し走ります。
まるで、映画「千と千尋の神隠し」で千とカオナシが並んで座って乗車している電車のようでした。
湾の中を走るので車窓の両側から水面が見え、すぐ近くに巨大空港が見えるという不思議で幻想的でもある風景。
天気の悪い日は大丈夫なのかな、と心配もしますが、晴れ渡っている日だったので、とても気持ち良かったです。
この地下鉄A線はBroad Channel駅の次ロッカウェイ・ビーチ駅(Rockaway Beach)まで湾にある島々を通ってブロード・チャネルを縦断します。


4.まとめ

ブロード・チャネルはNY市地下鉄A線の終点に近い所。JFK空港から飛び立ってすぐ見える湿地は地上ではこんな感じかと思いつつ、遠くまで来たと感じる場所でした。
水と共に暮らす生活様式はイタリアのベニスと似ているので、なるほどNY市のベニスか、と思いましたが、愛鳥家か散策する人以外が訪れる事は少ない印象。また、こじんまりとした居住区で生れ育った人も多く、お互いをよく知り、閉塞感もなきにしもあらずかと。水害など天候により生活が左右される生活は不安定そう、と余所者は心配しそうですが、そこで暮らす人々にとっては落ち着く場所なのかもしれません。
JFK空港の騒音がうるさかったという記憶もなく、それよりも静かにひっそりと暮らしている印象の方が強かったのかもしれません。
今回は、なかなか行く機会が少ないと思われる場所を紹介しました。行った気になって頂けたなら嬉しいです。

行き方

・NY市地下鉄 A線ブロード・チャネル駅

謝 意
I’m so grateful to David L. for showing me around the area and sharing his knowledge,

and also, Maria and Mike Farrugia , John K. and Barbara for allowing me to use their photos.

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