サンセット・パーク地区は、1890年頃から高架鉄道と地下鉄の発達によって中流階級のための住宅や産業用建物(恐らく湾岸)が出来始めます。
隣町のベイリッジ(Bay Ridge)同様、北欧、アイルランドやイタリア系移民、そして白人ヤング・プロフェッショナルの中流階級が多く住んでいました。
北欧系移民は、海事に携わる人が多かったそうです。特にフィンランド移民のコミュニティのために1916年と1917年に建てられたアルク(Alku:New Begining)とアルク・トイネン(Alku Toinen:Second Begining)と言う2棟のアパートが歴史建造物として残っており、歴史を語っているようです。
しかし、1950~1960年代にヨーロッパ系移民が他地区へ移動し始めました。
その後、21世紀までには、中国系移民の増加し、ヒスパニックや中国系が主となったそうですが、インドからの移民も増加のようです。まずは、急増する中国系移民を象徴する中華街からの紹介です。
1.中華街(China Town)
サンセット・パークには、NYCで最も大きい中華街の一つがあります。8番街に沿って44から68丁目、約26ブロック間と広範囲にあり、マンハッタン・ダウンタウンにある中華街よりも大きいです。生活に密着した生鮮食品店やレストランも多く、観光客のいない中華街と言われます。地下鉄の駅を出るといきなり人と活気が溢れ、なんたるエネルギー。一瞬ここはどこ?と戸惑う程です。行き交う人が多いうえに、歩道にまで商品を置いているため、一層混み合い、逞しさすら感じます。
この中華街はなぜ8番街にあるか。それは、商売のラッキーナンバーである数字の8が付く8番街は「富への道」だからとか、ただ単に、マンハッタンの中華街から地下鉄N線でつながっているから、とか言われています。数字の8はたまたまで後付け感がある気が個人的にはします。
余談ですが、この辺りはマンハッタンと違い、丁目は南に行くほど数字が大きくなります。
2.サンセット公園(Sunset Park)
小高い丘のあるサンセット・パークは、NYCの知られざる名所の一つだそうです。名の如く、夕暮れ時はもちろんその他の時も息を呑むほどの景観が素晴らしい。マンハッタンのスカイライン、公園の高台からは自由の女神、スタテン・アイランドやニュージャージー州も見渡せます、とNY市公園オフィシャルサイトは言っています。
確かに、景色が一望出来ますが、どこもかなり遠いかな、もう少し丘が高ければもっと美しいかも。それでも、気持ちのよい風が通りパノラマの景色も楽しめる公園はそうないと思います。
また、公園からの展望に加えて、プールも立派。1936年にオープンしたネオクラッシックでアールデコ様式のプールは、一体何人入れるの?と思える程大きく、夏場は大賑わいになりそうな感じのサイズです。
3.商業施設のインダストリー・シティ (Industry City)
かつて倉庫として利用されていた建物を改装したこの商業施設は、インダストリー・シティと呼ばれています。
ここには、2018年にオープンしたジャパン・ビレッジを始め、買い物や食事など楽しめる数々の個性的なお店やレストラン、そしてギャラリーやカルチャーセンターもあり芸術・文化も楽しめる商業施設です。
インダストリー・シティと聞くと、運搬業だった場所でなく、この商業施設を思い浮かべる人が多いと思います。8棟程ある元倉庫の細長い建物を出たり入ったりの移動があるため、雨や雪の降る日は少し面倒かもしれませんが、独創的で独特の雰囲気をもつこの施設は他に類のないと思います。
4.まとめ
サンセット・パーク地区は、裁判所、警察署や消防署が歴史建造物となっており、高台にある地区は裕福で美しい住宅街がある一方で、水辺に近い地区は様子ががらりと違っている印象でした。
2020年国税調査によると、西部にヒスパニック系が56.2%、中央と東部にアジア系が54%以上を占めており、西部と東部でかなり違いがあるようです。様々な宗教施設がありましたので、中南米やアジア系以外にも様々な人々が同居する印象でした。
3番街に沿って走っているゴワナス高速(Gowanus Expressway)の高架下辺りから水辺まで、1960年頃、売春や麻薬などが蔓延していた地区でもありました。
グリーンウッド・セメタリーから商業施設まで歩ける距離ですので、散策と食事買い物を楽しむのも一案です。
行き方
・商業施設インダストリー・シティへはNYC地下鉄D,N,R線の36丁目駅
・中華街へはNYC地下鉄N線の8番街駅
・サンセット公園へはNYC地下鉄R線の45丁目駅が便利
謝 意
I’m so grateful to David L. for showing me around various places and sharing his knowledge, and to John K. for allowing me to use his photos.
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