ウイリアムズバーグの南部はトレンディな北部と違って、多くのハシディック・ユダヤ教徒(Hasidic Jews)とプエルトリコやドミニカ共和国から移住した人々が多く暮らしています。今回は、ユダヤ教オーソドックス宗派の一つのハシディク派、ハシディック・ユダヤ教徒についてです。
1.ハシディック・ユダヤ教徒(Hasidic Jews)
ウイリアムズバーグの南部地区には、超正統派(Ultra-Orthodox)であるハシディック・ユダヤ教徒が多く暮らしています。
宗派で服装の微妙な違いはあるそうですが、厳しい服装規定に基づき、男女共に上から下まで黒を基盤とした服を着用。
今まで、あちこちで少人数のグループをちらほらと見かける事はありましたが、これほど多くの教徒をみたのは初めて。外界にとらわれず、強い信念に基づいた生活をし、独特の雰囲気が感じられました。
2.学 校
訪れた日は日曜日。にも関わらず、至る所にスクールバスが稼働中で、何か特別な日か遠足か、と予想しましたが、普通に学校へ行く日との事。ハシディックの子供たちは、土曜日以外の週6日学校へ行き、土曜日は祈りのためシナゴーグ(Synagogue:ユダヤ教の会堂)行くそうです。この地区の学校では、ユダヤ教の宗教に関わる勉強が多く、宗教とは関係のない教育は少ないそうです。特に、男子校では、NY州で定められている一般基本教育を充たしていないと懸念されており、そのため、アメリカで一般の仕事を得る事が難しいという現状もあるようです。
3.お祭り:プーリム(Purim)
訪問時は、ちょうどユダヤ教のお祭りで最も楽しいとされるプーリム(Purim)の二日前でもありました。
プーリムは、ユダヤ人全滅を企てていたアケメネス朝役人のハマン(Haman)を負かした事の祝祭との事で、何十年先まで日が決められているようです。ちなみに、2023年のプーリムは3月7日でした。さらに、2023年は、ユダヤ紀元では5783年だそうで、とてつもなく長い歴史の重みを感じます。
このお祭り、プーリムでは、みんな着飾り、ハマンの耳(Haman’s ears)または、ハマンタッシェン(Hamantaschen)と呼ばれるジャムが真ん中にある三角形のクッキーを食べ、男性も女性もワインなどのアルコールを嗜むそうです。
4.ベーグル
次は、ユダヤ人コミュニティのみならずアメリカでの食生活に欠かせない、誰もが知るアレ!!。そう、ベーグルです。
Williamsburg Bagelと言う単純明快な名前のベーグル屋で、漬けされたサーモン(Lox)の薄切りとクリームチーズと好きな野菜を挟んだものを購入。もちもとしたベーグルの歯ごたえとサーモンの塩味が絶妙。具が盛りだくさんだったので、完食できるか心配でしたが、全く問題ありませんでした。
このお店は小ぶりで店内で食べる場所はありませんが、近くにプレイグランドやベンチがあるので、その辺りで。
また、古代穀物で栄養価の高いとされる小麦粉の一種のスペルト(Spelt)で作られたパンもベーカリーでよく見かけました。
5.まとめ
1960年代当時は、失業、犯罪と社会悪で知られていた地区だそうですが、改善されたのか、訪問時はそこまで治安が悪そうな印象はありませんでした。また、古くからある建物が多く、静かな時間が流れているように感じました。
ハシディック教徒の人々の周りにとらわれず、自分たちの信念と古くからのしきたりを守り従い続けている姿は強く印象に残りました。彼らにとっては、外界の私達の存在が異様に写っているのかもしれません。
人々は普通に暮らしていますので、普段見慣れないからと、正面切ってハシディック教徒の人達の写真を撮るのは、礼儀として避けた方がいいかと思います。
行き方
最寄りの駅は、NY地下鉄のJ 線または M線の Marcy Ave.駅が便利。大まかですが、場所は高速道路 Brooklyn-Queens Expressway (BQE)の南側です。
謝 意
I’m so grateful to David L. and his sister for showing me around various places and sharing their knowledge, and to Dan NYC and Chew for allowing me to use their photos.
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