見タイ知りタイ! 行った気になる歴史と散策ブルックリン ⑩ ベイ・リッジ – Bay Ridge

ニューヨーク市観光

1.ベイ・リッジ(Bay Ridge)

ほおづきかチリペッパーか

ベイ・リッジは、隣町サンセット・パーク同様、美しい湾を望める地区。かつては、黄色っぽい土の色からイエロー・フック(Yellow Hook)と呼ばれていたそう。フックは、オランダ語でコーナー(Corner)の意味。しかし、黄熱病(Yellow Fever)の蔓延時に否定的な意味合いを避けるため、起伏のある地形に基づいてベイ・リッジと名を変更されたそうです。
ベイ・リッジを走るベルト・パークウェイ(Belt Parkway)とブルックリン・クイーンズ・エクスプレス(the Brooklyn-Queens Expressway:BQE:高速278号線)の2本の高速が、ほおづきかチリ・ペッパーの輪郭のように見えて仕方ないです。上2/3部分がベイ・リッジで南はフォート・ハミルトン地区です。

19世紀中期頃、郊外の夏のリゾートとして開発され始め、19世紀後期から20世紀初期に富裕層の豪邸も建てられました。その後、船員やノルウェーからの移民、そして地下鉄が1916年に走り始め住宅地として発展していきます。20世紀末から21世紀初期には、イタリア、アラブ、イタリア、ギリシャ、アイルランド系の人々が多く住む街となります。
また、2010年と2020年の国勢調査を比較すると、人口は約41%増加しており、2010年の調査では約60%が白人となっています。

ベイリッジの4番街を走る人達  nytimes.com

地区を南北に走る3番街と5番街の通りに沿って、各国料理のレストランが数多く並び中東料理も定評です。
4番街はかなり広く、ニューヨーク・マラソンのコースの一部となっています。走者達はスタテン島から出発しベラザーノ・ナローズ橋を渡って
、4番街を使ってベイ・リッジを縦断し北上します。

セネター・ストリート

オービントン・アベニュー(Ovington  Avenue)やセネター・ストリート(Senator Street)など国家歴史登録財となっている美しい連続住宅/長屋建物(Row Houses)もあり、また、見事な邸宅が並ぶ通りもありました。その中でもひときわ目立ったのは、NY市のランドマークとなっている通称ジンジャー・ブレッド・ハウスと言われる家でした。

通称ジンジャーブレッド・ハウスの右横から
ジンジャーブレッド・ハウス

写真にあるような豪邸に加えて住宅地は比較的大きな一軒家も多く、静かでのどかな印象でした。

Photo:Natasha
Photo:Natasha

2.アウルズ・ヘッド公園(Owl’s Head Park)

NYC Parks.com

アウルズ・ヘッド公園は、サンセット・パークの隣町ベイ・リッジにある24.22 エーカーある(サッカー場約24面分)大きな公園です。サンセット公園同様、遠くにマンハッタン、ベラザーノ・ナローズ橋(Verrazano Narrows Bridge)、その先のスタテン島、ニュージャージー州が見渡せ、夏はピクニック、傾斜があるので冬はそり遊びの人気の場所で、四季折々で楽しめる公園です。また、よく知られたスケートボード場もあるそうです。

公園の入り口にEWBの文字

この「フクロウの頭」という愛らしい感じの公園名の由来は、公園の形がフクロウの頭に似てる、フクロウがかつて住んでいた、とか、以前のここの地主のE.W.Bliss氏が、一対の石のフクロウを飾っていた、など諸説あるようですが、はっきりわからないようです。

3.アメリカ退役軍人記念桟橋(American Veterans Memorial Pier )

アウルズ・ヘッド公園の近くに、通称69丁目桟橋(69th Street Pier)とも呼ばれる退役軍人記念桟橋があります。地図を見るとこの地区の唯一の桟橋のようで、釣りに最適のようで人気もあり、マンハッタンのスカイライン、自由の女神そしてベラザーノ・ナローズ橋が見えるので、住民に愛されている場所だそうです。確かに開放感があり気持ちが良い場所でした、やはりどの風景もちょっと遠くに見える感じが否めませんでした。

塔がメモリアル:左手奥に桟橋は続いています。
スカイラインは見えますが、少し遠い感じ

この桟橋の横に湾に沿って大きくはないですが、手入れの行き届いたナロウズ・ボタニカル・ガーデンズがあります。ほっと落ち着けそうですが、ほぼ真横にベルトパークウェイと言う高速が走っているのが少し残念です。

Photo:Natasha
Photo:Natasha
Photo:Natasha

4.ベラザーノ・ナローズ橋(Verrazzano-Narrows Bridge)

スタテン島からのベラザーノ・ナローズ橋 Photo:Wiki

1964年に開通した当初、世界一長いつり橋だったベラザーノ・ナローズ橋。橋の名のベラザーノは、1524年にニューヨーク港に来た最初のヨーロッパの探検家ジGiovanni da Verrazzanoから。 
ニューヨーク港(Harbor)への入り口となるナローズ(The Narrows:海峡)の上にかかり、ブルックリン側のフォート・ハミルトン(Fort Hamilton)とスタテン島側のフォート・ワズワース(Fort  Wadsworth)の二つの砦(Fort)、が両端にあります。

桟橋からのベラザーノ・ナローズ橋

季節による鋼鉄ケーブルの収縮と膨張により、夏は冬よりも 12 フィート(約3.65メートル)低くなるそうです。 余談ですが、私の地元、兵庫県にある1988年に開業した明石海峡大橋は、2022年にトルコのチャナッカレ1915橋開通するまで、世界一長いつり橋でした。地元愛かもしれませんが、私にとって明石大橋は見事で美しく世界一です。

5.まと

ベイ・リッジは、名前を聞いた事がある程度の認識しかありませんでした。実際に行ってみて、数々の店舗やレストランがあり活気に満ち溢れた広々とまっすぐ走る大通りもあれば、湾を臨む高台にある豪邸や比較的大きめの居宅が多い静かな住宅街もあり、静と動が区切られながらも同居している印象人気の観光名所があるわけではありませんが、広々として落ち着いた地区でした。
住宅街をウォーキング・グループで歩いていると、珍しいのか何人かの人に、観光地でもない住宅街で何を見るの、と不思議がられました。
また、1977年の映画「サタデー・ナイト・フィーバー」の主人公トニーはベイ・リッジ出身の設定で、撮影もベイ・リッジやサンセット・パークで行われ、有名なオープニング・シーンは86丁目を闊歩しているのだそうです。時代が若干違いますが、エネルギーや雰囲気が伝わる気がします。

行き方

・N線とR線の59丁目駅かR線 Bay Ridge Ave駅から歩かれるのが便利

謝 意

I’m so grateful to Hank O. for showing me around various places and sharing his knowledge, and also Natasha for allowing me to use her photos.

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