見タイ知りタイ! 行った気になる歴史と散策ブロンクス ② 南ブロンクス:モット・ヘイブン- South Bronx:Mott Haven

ニューヨーク市観光

138丁目通り

モット・ヘイブンは、ブロンクスの 東南部に位置し、人口は約52,000人(2010年)。19世紀終わり頃から1940年代にかけては、産業が盛んで、ドイツ系やアイルランド系の人達が住んでいましたが、現在は、低所得者の賃貸住居が多く、主に、プエルトリコ、メキシコおよびドミニカからのヒスパニック系が全体の約72%、そして黒人が約25%暮らす街です。
南ブロンクスと聞くと、治安の悪さが心配ですが、地下鉄の駅を出てすぐに、NY警察(PD 40th Police Precinct) と立派な教会St. Jerome Roman Catholic Church、そして通り沿いにお店が並び、昼間は意外と安全そうな雰囲気でした。

NY警察 40th Police Precinct
St. Jerome Roman Catholic Church Photo : John K.

1. 歴史地区

Photo : John K.

Alexander Avenueの137~141丁目の4ブロック間にある歴史地区があります。ここは、南北戦争後、ブロンクスでもっとも早くに農地からで都市型へと変わっていった地区。
19世紀後半にできた、当時人気であったさまざまな建築様式のRow Houseと呼ばれる集合住宅、個人宅、公共施設や教会などが建ち並びます。確かに建物は古く、様々な建築様式を見れますし、セント・ジェローム教会など素晴らしい建物が点在しています。しかし、歴史地区としては他地区にある華やかさはなく、特筆する印象はあまりありませんでした。

Mott Haven Library Photo : John K.
St Ann’s Episcopal Church

2.モット・ヘイブンの名の由来とかつての産業

新しいアパートに囲まれる鉄工所関係建物
Mott Iron Worksの文字がのこっている

モット・ヘイブンの名の由来は、投資家そして実業家だったJordan L. Mott氏からです。1828年から1840年代にかけ、当時の有力者から、モット・ヘイブンの土地を購入し、製鉄所(Iron Works)を始めまた。今でも鉄工所関係の古いレンガ造りのビルが残っていますが、真新しくキラキラ輝くアパートに取り囲まれ、その対比が印象的でした。

さらに,かつては、運河もあり、石材、木材などの産業も栄え、特にピアノ産業は、第一次世界大戦前は、「アメリカのピアノの主都」と呼ばれたそうです。ブルックナー・ブルーバードとそこに隣接する通りには以前のピアノ工場がいくつかあるとも言われていますが、定かではありません。
現在、ピアノに関しては、世界にその名を馳せるスタインウェイがあるクィーンズ地区アストリアの方が存在感があると思われます。

Estey Piano & Organ Company Photo : John K.
ピアノ工場らしき建物

工場として使われていたような建物がそこここにありましたが、訪問日が週末だったからか、人は少なく産業が盛んな感じは受けませんでした。また、高速のBruckner Expresswayと Major Deegan Expresswayが街の下側を横切り、マンハッタンと郊外を結ぶメトロノース鉄道が近くを走っており、活発な交通の動きはあるにも関わらず、そこからぽつりと取り残されている感じも否めませんでした。

ガラス工場跡
ハーレム川横と奥に鉄道鉄橋
ハーレム川横と左奥に高速道路

3.歴史

1970年代から1980年代初頭にかけ、モット・ヘイブンを含む南ブロンクスでの貧困は酷く、暴力そして破壊行為は頻繁でした。

1977. Museum of the City of New York. 84.203.101
1940年代と1980年代の違い

4.まとめ

新しいビルがどんどん建設されている

ハーレム川沿いにマンハッタンを見渡せる新しいアパートが既に数棟建ち、まだ工事中も多く、再開発が進行中。
さらに、それに合わせるように、本屋、カフェ・バーそしてビーガン・ベジタリアンのカフェなど、おしゃれなお店も増え、変わっていく様子がうかがえました。

産業の繁栄と衰退、そしてそこからの再生に向かって、活気を取り戻したい、でも、ちょっと街全体のエネルギーが足りない印象も。ハーレム川向こうはマンハッタンとロケーションは利点なので、「モットがんばれ、モット・ヘイブン‼」と心の中で応援。
訪れる機会がある際は、外が明るい時間帯を強く勧めます。

新しいビル群
眼光鋭い超派手なおじさん

行き方
Mott  Havenへは、NYC地下鉄6番の3rd Ave. and 138th駅が便利です。

謝 意

I’m so grateful to David L. for showing me around various places and sharing his knowledge, and also John K. for allowing me to use his photos.

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